― 月経にともなう症状とセルフケア ―
女性の身体では、通常およそ1カ月の周期で子宮内膜からの出血(=月経)が起こり、約1週間ほどで自然に止まります。月経が始まった日を1日目とし、次の月経が始まる前日までを1周期と呼びます。個人差はありますが、1周期は一般的に25〜38日の範囲とされています。
この周期にともなって心や身体にさまざまな変化が起こります。本記事では、月経随伴症状とは何か、どのようにセルフケアを行えばよいのかを丁寧に解説します。
1.月経周期と月経随伴症状

■ 月経前に起こる症状
月経前には、ホルモンバランスの変化に伴い、以下のような症状があらわれることがあります。
- お腹や乳房の張り・痛み
- イライラ・情緒不安定
- 憂うつ感・眠気
- むくみや肌荒れ
これらの精神的・身体的症状が強く現れる状態を月経前症候群(PMS)、さらに日常生活が困難になるほど症状が重い場合を**月経前不快気分障害(PMDD)**と呼びます。
■ 月経中に起こる症状
月経中には、以下のような症状が出ることがあります。
- 下腹部痛(生理痛)
- 腰痛
- 頭痛・吐き気
- 下痢・だるさ
- 月経量が多く貧血を招く「過多月経」
■ 月経随伴症状とは
月経前・月経中にみられるこうした症状の総称を月経随伴症状といいます。
実はこれらの症状は、生活習慣と密接な関係があることがわかっており、毎日の食事や生活リズムを整えることで症状の軽減が期待できます。
2.食習慣と月経随伴症状 〜月経困難症と生活の関係〜

月経に伴う症状が強い状態を月経困難症といいます。「体質だから仕方ない」と諦める方が多いのですが、食習慣の見直しで改善するケースが多いことがわかっています。
■ 不適切な食生活は症状を悪化させる
月経困難症になりやすい女性の傾向として、下記が挙げられます。
- 朝食を摂らない
- 脂肪の多い食事
- 野菜不足
- 過度なダイエット
- 砂糖・揚げ物・刺激物・アルコールを多く摂る
特に、PMSの女性を対象とした調査では、朝食抜き・甘いものや揚げ物の摂りすぎが症状悪化に関係することが報告されています。
■ 月経症状を軽減する栄養素
以下の栄養素は、女性の身体の働きをサポートし、症状の緩和に役立ちます。
- 良質なタンパク質(肉・魚・大豆製品・卵など)
- カルシウム(乳製品・小魚・青菜)
- オメガ3脂肪酸(青魚・くるみ・亜麻仁油など)
- 鉄分(レバー・赤身肉・ひじき・ほうれん草)
栄養バランスを整えるだけでも、月経に関するつらさが軽くなる場合があります。
3.身体を温める習慣も重要

子宮は筋肉でできており、冷えると筋肉が収縮して痛みを感じやすくなります。
月経前や月経中は、特に身体を温めることを意識しましょう。
■ 冷え対策の例
- ひざ掛けやカイロでお腹や腰を温める
- 温かいスープや飲み物をとる
- 足首・お腹を冷やさない服装にする
温めるだけで「痛みが和らいだ」と感じる女性はとても多いです。
4.適度な運動で血行を改善

ウォーキング・ストレッチ・ヨガといった軽い運動は、血行を促し、身体を内側から温める効果があります。筋肉がほぐれ、痛みやこわばりが軽減されることもあります。
■ 運動が苦手な人は
・通勤時にエスカレーターではなく階段を使う
・寝る前に軽くストレッチをする
などの小さな習慣から始めてみましょう。
5.禁煙で症状の悪化を防ぐ

もし喫煙習慣がある場合は、PMS軽減のためにも禁煙が推奨されます。
タバコに含まれるニコチンには血管を収縮させる作用があるため、身体を冷やし、月経前症状を悪化させるとされています。
6.体調を記録して自分のリズムを知る

アプリや日記を使い、月経周期や体調の変化を記録すると、
- 症状が出るタイミング
- 体調が悪化しやすい日
- ストレスの要因
が把握しやすくなります。
「原因がわかるだけで不安が減った」という女性も多く、セルフケアとして非常に有効です。
7.セルフケアでも改善しないときは受診を

月経症状には個人差があり、セルフケアだけでは改善しない場合もあります。
その際は、我慢せず産婦人科を受診しましょう。
■ 受診をおすすめする理由
- 月経を専門に扱う医療機関であり、相談しやすい
- ホルモンの異常や内科的な疾患が隠れている可能性がある
- 医師の判断でピル・漢方薬・鉄剤・サプリメントなどの治療が受けられる
■ 隠れている可能性のある病気
- 下腹部痛・過多月経
→ 子宮内膜症・子宮筋腫 - 重いPMS・PMDD
→ うつ病・双極性障害などの可能性
「産婦人科は敷居が高い」と感じる方もいますが、
風邪をひいたら内科に行くのと同じように、女性の健康を守る場所です。
定期的に相談できる“かかりつけ医”を持っておくと安心です。
まとめ 〜今日からできる小さな工夫が未来の健康をつくる〜
月経随伴症状を軽くするためのポイント
- 月経前・月経中に起こる不調は「月経随伴症状」
- 食習慣が症状に大きく関係する
- 身体を温める習慣をつくる
- 軽い運動で血行を改善する
- 禁煙は症状改善に大きく寄与する
- 体調の記録で自分の月経周期や体調の変化を理解する
- つらい場合は我慢せず産婦人科に相談を
どれも難しいことではありません。
まずは 「今日できることを一つだけ」 実践してみることが大切です。
あなたの身体は、毎日頑張っています。
ぜひ、食生活や生活習慣を見直し、無理なく続けられる方法で身体を整えていきましょう。
そして、一人で悩まず、必要なときは専門家に相談してください。
あなたの未来の健康は、今日の小さな一歩から始まります。