パニック症(パニック障害)とは、
**突然、激しい不安や恐怖に襲われる「パニック発作」**を繰り返す病気です。
動悸、息苦しさ、めまいなどの身体症状が急に起こり、
「このまま死んでしまうのでは…」
と感じるほどの強い恐怖に包まれることもあります。
こうした発作が続くと、学校生活・仕事・外出・対人関係など、
日常生活のあらゆる場面に影響が生じてしまいます。
この記事では、
パニック症の特徴、診断基準、併発しやすい症状、治療法についてわかりやすく解説します。
1.パニック症はどれくらいの人が発症する?

日本の調査では、
- 男性:約0.4%
- 女性:約0.7%
が生涯のうちにパニック症を経験するといわれています。
▼パニック発作で起こりやすい症状
- 動悸・心拍数の増加
- 発汗・寒気・ほてり
- 体の震え
- 息切れ・息苦しさ・窒息感
- 胸の痛み・胸部の違和感
- 吐き気・腹部の不快感
- めまい・ふらつき
- 手足がしびれる・感覚が鈍くなる
- 現実感の消失
- 「気が狂うのでは」「死んでしまうのでは」という恐怖
発作は多くの場合、数分でピークに達し、数十分以内に落ち着きます。
しかし、本人にとっては非常に恐ろしく、常に「再発するのでは…」と心配になっています。
2.広場恐怖症とは?パニック症と深い関係がある

パニック症の人は、広場恐怖症を併発しやすいとされています。
広場恐怖症とは、
「逃げられない」「助けが得られない」状況を恐れる状態。
▼例
- 電車やバスに乗る
- 映画館・劇場などの閉ざされた空間
- 人混み
- 一人での外出
- 行列に並ぶ
このような場所で発作が起きることを想像して、
強い恐怖を感じ、次第にその場所を避けるようになります。
▼パニック症特有の2つの特徴
予期不安
「また発作が起きたらどうしよう…」という不安に頭が支配される
回避行動
不安のある場所・行動・状況を避けるようになる
こうした行動が続くと、
学校や仕事に通えなくなり、外出が困難になるケースもあります。
3.放置するとどうなる?パニック症のリスク

パニック症を放置すると、次のような悪影響が出ることがあります。
- 家に引きこもりがちになる
- 生活範囲が狭くなる
- 不安や落ち込みが強まり、うつ病を併発しやすくなる
- 不安をまぎらわせるために、アルコール・薬物依存に陥りやすい
早めに治療することで回復しやすくなるため、
症状が続くときは医療機関に相談することが大切です。
4.パニック症の治療法
パニック症には、主に2つの治療法があります。
【1】薬物療法

● ベンゾジアゼピン系抗不安薬
- 効果が早く出やすい
- 不安や身体症状を抑える
- ただし、長期使用で離脱症状が出やすい
※ 医師と相談しながら慎重に服薬する必要があります。
● SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)
- 不安と関係する「セロトニン」を調整する薬
- 効果が出るまで2〜6週間ほど必要
- 副作用:吐き気、眠気、下痢、だるさなど
- パニック症だけでなく、社会不安症・強迫症にも有効
薬物療法は、「症状を和らげるための土台作り」に役立ちます。
【2】心理療法(認知行動療法:CBT)

認知行動療法では、
考え方(認知)と行動パターンを少しずつ変えていきます。
● 認知へのアプローチ
- 日記などで自分の不安を記録する
- 「バス停が怖い」などの自動思考を整理する
● 行動へのアプローチ
- 段階的に苦手な場所へ行く
- 「最悪の予測」が本当に起こるのかを検証する(行動実験)
- 小さな成功体験を積み重ねる
例)
バス停が怖いAさんは、徐々に
「バス停に行く → 少し滞在する → バスに乗る」
というステップを踏むことで、不安が軽減し、自由に乗れるようになります。
■ まとめ
この記事では、パニック症の特徴と治療法について解説しました。
● パニック症とは
- 突然の発作で激しい不安に襲われる疾患
- “気のせい”や“性格”ではなく、治療が必要な病気
● 主な治療法
- 薬物療法(SSRI・抗不安薬)
- 心理療法(認知行動療法:CBT)
パニック症の人にとって、「不安と向き合う」ことは大きな負担です。
ですが、適切な治療を続ければ、症状は確実に改善していきます。
どうか一人で抱え込まず、専門家のサポートを受けながら、
今日できる小さな一歩から始めてみてください。