〜自分に合った運動のやり方を考え、心と体を健康に〜
精神科医の先生によると、メンタル疾患を抱える方の中には、極端に偏った考え方や行動パターンを持つ人が多いそうです。
その中でも特に目立つのが、「運動をやりすぎてしまう人」です。運動は健康に良いものですが、やり方を間違えると、逆に体と心を壊してしまうこともあります。
本記事では、なぜ「運動のやりすぎ」が不健康につながるのか、そして「心と体を健康に保つための正しい運動習慣」について、科学的な視点から丁寧に解説していきます。
■ 運動のやりすぎは「オーバートレーニング症候群」を招く

運動量が過剰になると、体が回復する前に次の運動を繰り返すことで「オーバートレーニング症候群」という状態に陥ることがあります。
これは、体の疲労が慢性的に蓄積し、休んでも回復しにくくなる危険な状態です。
たとえば以下のような運動習慣がある人は要注意です。
- 週5回以上、1時間を超えるハードな筋トレ
- 毎日、自転車で50km走る
- 1日10km以上のジョギングを休まず続ける
これらの運動を「毎日欠かさず」行うのは、確実に体へ負担をかけます。短期間の大会前トレーニングなどであれば問題ありませんが、長期間続けると心身の健康を損なうリスクが高まります。
■ 過剰な運動がもたらす3つのリスク

① 活性酸素の過剰発生
激しい運動を長時間続けると、体内で活性酸素が過剰に発生します。
活性酸素は細胞を酸化させ、老化や動脈硬化を進める原因となります。結果として、心筋梗塞・脳血管疾患・がん などのリスクを高めることが報告されています。
② ホルモンバランスの乱れ
過度な運動は、ストレスホルモン「コルチゾール」を過剰に分泌させます。
コルチゾールが高い状態が続くと、免疫力の低下、不眠、気分障害 などの症状を引き起こすことがあります。
③ ケガや疲労骨折のリスク
休養を取らずに運動を重ねると、筋肉や関節の修復が追いつかず、ケガや疲労骨折 を起こしやすくなります。
「運動しているのに体調が悪い」と感じる場合、それはオーバーワークのサインかもしれません。
■ 「適切な運動量」

では、どの程度の運動が「適度」なのでしょうか?
精神科医の先生は、次のような運動量を目安にすすめています。
- 1日1〜2時間ほどの軽めの運動
- 中強度以上の運動を週120分(約2時間)程度
- 60〜90分の運動を1日置きに行う
- 筋トレ30分+有酸素運動30分の組み合わせ
もちろん年齢や体力、生活スタイルによって適切な運動量は異なります。
自分の体の声を聞きながら、「心地よい疲れ」を感じる程度を目安にしましょう。
もし「どの運動が自分に合っているかわからない」と感じたら、インターネットや専門書で調べたり、トレーナーや医師に相談してみるのもおすすめです。
■ 「できる範囲で工夫する」ことが大切

一方で、「ヒザが痛いから運動できません」という人もいます。
しかし、完全に運動をやめてしまう必要はありません。ヒザに負担をかけない 上半身の運動 であれば続けられる場合もあります。
たとえば――
- 椅子に座ったままできるダンベル運動
- チューブを使ったストレッチ運動
- YouTubeで「上半身 運動 椅子」などと検索して実践
こうした軽い運動から始めて、痛みが出ない範囲で体を動かすことが大切です。
もし痛みが強い場合は、精神科ではなく 整形外科 を受診し、医師やリハビリスタッフに「負担の少ない運動法」を相談しましょう。
運動には個人差があります。心身の状態や年齢、筋力などによって「できる範囲」は異なります。
最初から完璧を目指すのではなく、「今の自分にできること」を少しずつ増やしていくことが、結果的に長続きするコツです。
■ 運動を習慣化する3ステップ

(調べる → 試す → 見極める)
運動は「努力」ではなく「習慣」に落とし込むことが大切です。
そこで、以下の3ステップを意識してみましょう。
- インプット
まずは情報を集め、自分に合いそうな運動方法を知る。 - アウトプット
実際に試してみて、体の反応を観察する。 - フィードバック
続けられるか、痛みや疲れがないかを見極めて、次の方法を工夫する。
このサイクルを繰り返すことで、無理なく自分に合った運動スタイルを確立できます。
■ 「高すぎる目標」は挫折のもと

「運動も睡眠も朝散歩も全部やろう!」と意気込む人ほど、途中で挫折してしまう傾向があります。
最初から完璧を目指さず、できることを1つずつ 取り入れるのが成功の秘訣です。
たとえば――
- 5分だけ散歩してみる
- 30分だけ早く寝る
- 朝1分だけ日光を浴びる
こうした小さな一歩を積み重ねることで、長期的には確実に効果が現れます。
最終的に「週3回、15分の朝散歩」ができるようになれば理想的です。
通勤時間を「朝散歩」として活用するのもおすすめです。朝日を浴びながらリズミカルに歩くことで、セロトニンの分泌が促され、日中も気分が安定しやすくなります。
■ まとめ 〜無理をせず、続けることが最良の運動〜
- 運動のやりすぎはオーバートレーニング症候群の原因
- 過剰な運動は老化・免疫低下・ホルモンバランスの乱れを招く
- 適度な運動は1日1〜2時間以内、もしくは週120分程度が理想
- ヒザ痛などがある場合は上半身運動やストレッチから始める
- 運動は「調べる→試す→見極める」を繰り返して習慣化する
- 完璧を求めず、小さな一歩を継続することが大切
無理をせず、できる範囲で続けること。
それが、心と体の健康を守るための一番の近道です。
「頑張る」ではなく、「続けられる形で工夫する」。
今日からあなたも、自分に合った運動習慣を見つけてみませんか?