「眠くなる時間」がバラバラなあなたへ -その原因、実は“生活習慣”ではありません。
毎朝同じ時間に起きているのに、夜になると眠くなる時間が日によって違う。
「昨日は22時にはもう眠かったのに、今日は0時を過ぎても全然眠くならない…」
そんな不思議な夜を過ごした経験、ありませんか?
運動の量も、お風呂の時間も、夕食のタイミングもほとんど同じ。
それなのに、なぜか“眠気のリズム”だけが安定しない。
もしかするとその原因は、あなたの「生活リズム」ではなく、
“体内時計”がうまくリセットされていないことにあるかもしれません。
人間の体は、目に見えない時計を持っています。
それが少しでもズレると、眠くなる時間も、スッキリ起きられる時間もバラバラになってしまうのです。
この記事では、そんな「眠気の乱れ」に悩むあなたのために、
誰でも簡単にできる 体内時計の整え方 と、
眠気のリズム=眠りの波(ウルトラディアンリズム) に上手に乗るためのコツを、わかりやすくご紹介します。
「眠れない夜」にサヨナラして、「自然と眠くなる夜」を取り戻しましょう。
朝の太陽光があなたの眠気を決めている
人間の体には「体内時計」が備わっています。これは脳の中の「視交叉上核(しこうさじょうかく)」という場所で、1日およそ24時間のリズムを刻んでいます。
ところが、この体内時計は自然に放っておくと毎日少しずつズレるのです。そこで必要になるのが「朝の太陽の光」。
朝、太陽の光を浴びると脳が「今が朝だ」と判断し、体内時計をリセットします。
そして、そこからおよそ15〜16時間後に自然な眠気が訪れるようにプログラムされているのです。
たとえば、朝7時に外で太陽の光を浴びた人なら、夜10~11時頃に眠くなります。
毎日このリズムを繰り返すことで、自然と眠気の時間も安定してくるというわけです。
朝に起きても「外に出なければ」意味がない
ここで注意したいのが、「朝起きる=太陽の光を浴びている」ではないということ。
窓越しの光や、部屋の照明では体内時計はリセットされません。
人間の目に届く光の強さ(照度)は、屋内では300〜500ルクス程度。
一方、晴れた日の屋外は10,000〜100,000ルクスにもなります。
この差が、体内時計のズレを生む大きな原因です。
ですから、朝7時に起きてもそのまま室内にいる人は、実はまだ「脳が朝を迎えていない」状態。
結果的に、その日は眠気が来るのが遅くなってしまうのです。
☀️ 朝のおすすめ行動
- 起きてから1時間以内に外に出る
- 太陽の光を15〜20分しっかり浴びる
- スマホを見ながら歩かない(うつむくと光が入りづらい)
- 正面を見て青空を感じながら、背筋を伸ばして歩く
この習慣を毎日続けるだけで、驚くほど眠気の時間が安定してきます。

もしあなたが「夜眠れない」「眠気のリズムが安定しない」と感じているなら、
まずは朝の過ごし方を変えることから始めてみましょう。
高価なサプリや特別な寝具を買う前に、
「朝15分の太陽光浴」を習慣にしてみてください。
毎日同じ時間に外に出て光を浴び、体内時計をリセットする。
たったそれだけで、夜の眠気が自然に訪れ、朝もスッキリ目覚められるようになります。
光感受性には個人差がある
最近の研究では、「光をどれくらい感じ取れるか(光感受性)」には個人差があることがわかっています。
光感受性が高い人は、わずか5分外に出るだけで体内時計がリセットされます。
逆に、光感受性が低い人は15〜20分しっかり光を浴びないと効果が出にくいのです。
また、光感受性が高い人は夜の光にも敏感です。
寝る直前にスマホを見ただけで一気に目が覚めてしまい、寝つきが悪くなる傾向があります。
光感受性が低い人は朝しっかり外に出ることを意識し、高い人は夜の光をなるべく避けるようにしましょう。
眠気を我慢すると、かえって眠れなくなる?
眠気が来たのに「まだやることがあるから」と我慢してしまうこと、ありますよね。
でも実は、眠気を我慢するのはNGなんです。
人間の脳には、約90分ごとに「覚醒と眠気のリズム(ウルトラディアンリズム)」があります。
これは、日中でも「集中→ボーッとする→集中→ボーッとする」という波を繰り返していることを指します。
夜も同じように、90分ごとに眠気のピークが訪れるのです。
つまり、せっかくの「眠気の波」を逃すと、次に眠気が来るのは約90分後。
これはまるで「90分ごとに来る眠気バス」に乗り遅れるようなものです。
ですから、「眠気がきたな」と感じたら、そのタイミングを逃さず布団に入るのがポイント。
眠くもないのに「いつもの時間だから寝よう」と無理に布団に入っても、脳が覚醒状態のままでは眠れません。
睡眠のゴールデンタイムより「眠気のタイミング」を大事に
「夜10時〜2時がゴールデンタイム」と聞いたことがある方も多いと思います。
しかし、これは一概に正解ではありません。
本当に大切なのは、「自分の体が眠気を感じたタイミングで寝る」こと。
例えば、毎日23時に寝ようとしても眠気が22時半にピークを迎えていたら、その時に寝るのが理想です。
眠気を逃すと、次の波まで90分待たなければなりません。
だからこそ、自分の眠気のリズムを感じ取ることが何よりも大切なのです。

ウルトラディアンリズムとは?
人間の脳や体は、日中の覚醒中でも約90分周期で集中と休息を繰り返していることがわかっています。
これは「ウルトラディアンリズム」と呼ばれるもので、昼間だけでなく夜の睡眠リズムにも深く関係しています。
たとえば、仕事や勉強をしていると「なんだか急に集中力が途切れた」と感じることがありますよね。
それはまさにウルトラディアンリズムの「小休止」の時間。
このリズムは1日中働いていて、眠るときにも約90分ごとに浅い睡眠(レム睡眠)と深い睡眠(ノンレム睡眠)を交互に繰り返すのです。
そして、日中にもこの波は存在します。
つまり、夜の眠気もこの90分周期のリズムに従ってやってきます。
22時半に眠気が強くなった場合、それを我慢すると次の眠気の波は23時半〜0時ごろに訪れるということです。
「なかなか寝つけない」と感じる人の多くは、この“眠気の波”を逃してしまっているのです。
それでも眠れない夜に試したい3つの対処法
「眠気を感じて布団に入っても、なぜか眠れない…」
そんな夜は誰にでもあります。
眠れない夜がたまにあるのはごく普通のこと。
毎日完璧に眠れる人の方が少数派です。
焦らず、次の3つを試してみてください。
①「眠れない夜もある」と割り切る
人間はロボットではありません。
季節や気温、気分、体調によっても睡眠の質は変わります。
「今日は眠れない日なんだ」と受け入れるだけで、心の緊張がほぐれて眠りやすくなります。
② ポジティブなことを思い出す
布団の中でネガティブなことを考えると、交感神経が優位になり、どんどん目が冴えてしまいます。
そんな時は「今日できたこと」「感謝できること」「楽しかったこと」を3つ思い出してみましょう。
この“3行ポジティブ日記”は、眠りに入る前の最高のリラックス法です。
③ いったん起きてリセットする
布団の中で30分以上眠れないときは、思い切って一度起きてみましょう。
ただし、スマホやPCを見るのは厳禁です。
強い光が目に入ると、脳が「朝だ!」と勘違いして覚醒してしまいます。
代わりに、間接照明のもとで静かに本を読んだり、白湯を飲んだりして過ごしてみてください。
数十分後には再び眠気が訪れるはずです。

まとめ:眠りは「整える」もの
眠れない夜があると不安になりますが、睡眠は「コントロールする」ものではなく「整える」ものです。
無理に早く寝ようとするよりも、
- 朝の太陽光を浴びて体内時計を整える
- 眠気の波を感じ取って眠る
- 眠れない夜は焦らず受け入れる
この3つを意識するだけで、あなたの眠りは確実に変わっていきます。
眠気のリズムを味方につけて、毎晩ぐっすり眠れる日々を取り戻しましょう。
あなたの「おやすみ」が、少しでも心地よいものになりますように。