うつ病の人がやった方が良い8つのこと

〜焦らず、無理せず、自分を労わるために〜

うつ病の治療や療養生活において最も大切なのは、「焦らないこと」と「無理をしないこと」です。精神科を受診して薬を処方されても、医師との診察時間が限られており、「薬を飲んだ後、どのように過ごせばいいのか分からない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
本記事では、うつ病の回復期や療養中に実践してほしい「8つの大切な行動」について、丁寧に解説していきます。


1.急性期や再発期は「とにかくゴロゴロ」して休む

うつ病は、風邪のように数日で治る病気ではありません。回復や再発予防には、数年、あるいはそれ以上の時間をかけて向き合っていく必要があります。
症状が最も強く出ている時期を「急性期」といい、また一度回復しても、再び具合が悪くなる時期を「再発期」と呼びます。

この期間は、何もかもが絶望的に感じられ、やる気が起きない、何もしたくないと感じるでしょう。しかし、それは怠けではなく、「うつ病の症状そのもの」です。
この時期は、何もせず、家でゴロゴロ過ごして構いません。大切なのは「食べること」と「眠ること」。それが、生きるエネルギーを回復させる最初の一歩です。
焦らず休み、きちんと薬を飲んでいれば、2週間から1か月ほどで少しずつ回復の兆しが見えてくるはずです。


2.安定期でも「無理をしない」ペースを保つ

つらい時期を抜け出した後、「もう大丈夫」と思って一気に元の生活ペースに戻す方も多いですが、それは再発の原因になることがあります。
うつ病の回復期は、まだ心も体も完全ではありません。本来の自分の6割くらいのペースを意識して、ゆっくり過ごすことが大切です。

「疲れたら休む」ではなく、「疲れる前に休む」。
「効率よく動く」よりも、「自分を大切に扱う」ことを優先しましょう。
小さな達成を喜びながら、焦らずゆっくり進めば、それで十分です。


3.焦らないこと ―「今は休む時期」と受け入れる

療養中、友人の結婚や昇進、出産などを目にして「私だけ置いてけぼり」と感じてしまうこともあるかもしれません。しかし、焦りや劣等感は、うつ病の症状の一部です。

他人と比べることはやめましょう。
「私は病気だから、今は休む時期なんだ」と自分に言い聞かせることで、心が少し軽くなります。

病気を経験することは、決して無駄ではありません。うつ病を通して、自分を見つめ直し、他人の痛みにも共感できるようになります。それは、人生における大切な学びの時間なのです。


4.身体を少しずつ動かす

うつ病の回復には、軽い運動が効果的だと数多くの研究で報告されています。特に、朝のウォーキングは体内時計を整え、睡眠の質も高めます。
とはいえ、無理をする必要はありません。体調が悪いときは「今日は休もう」で構いません。

「外に出られなかった自分を責める必要はない」と理解しましょう。
体が自然に動かしたくなる時期が来たら、その時に少しずつ始めれば良いのです。散歩やストレッチなど、短時間でも続けることが心と体のリハビリになります。


5.規則正しい生活を意識する

「同じ時間に起きる」「同じ時間に食事をとる」「同じ時間に寝る」。
このシンプルなリズムが、実はうつ病の回復にはとても重要です。脳が規則的なリズムを覚えることで、気分の波が安定しやすくなります。

食事も「お腹が空いたから食べる」ではなく、「時間になったから食べる」といった規則を作りましょう。
一見当たり前のようですが、これができるようになると、生活全体のバランスが整っていきます。


6.自分を大切にすることを学ぶ

うつ病は、「心が傷つき、自分を大切にできなくなった状態」ともいわれます。
だからこそ、回復の過程で「自分を労わる」ことを意識することが大切です。

「自分を大切にする」とは、わがままになることではありません。

  • 無理な我慢をしない
  • できないことは断る
  • 本音を無視しない
  • 健康に気を配る
  • 自分の成長のためにお金や時間を使う

これらの行動が「自分を大切にする」ということです。
小さな選択を丁寧に行うことで、自己肯定感も少しずつ戻っていきます。


7.「癒し」を見つける

療養中は「心が癒されること」を意識的に取り入れましょう。
人によって癒しの形はさまざまです。
推し活、映画、カフェ時間、音楽、カラオケ、旅行など、あなたの心が「ほっとする」と感じる時間を大切にしてください。

「癒しなんて贅沢だ」と思う必要はありません。
それは、心の栄養補給です。癒しの時間を持つことが、再発防止にもつながります。


8.マインドフルな時間を持つ

自然の中や神社仏閣など、静かで清らかな場所に身を置くと、不思議と心が軽くなる経験はありませんか?
それは、心理学でいう「マインドフルな状態」に近いものです。

マインドフルとは、仏教の「正念」をもとにした考えで、「今この瞬間に意識を向ける」心の在り方を指します。
森や海、神社など、自分が落ち着ける場所=「パワースポット」を見つけてみましょう。

疲れたときや気分が落ち込んだときは、そこに行って深呼吸をしてみてください。
自然のエネルギーを感じながら、「このままでいい」「きっとなんとかなる」と心の声を受け入れることができるようになります。
研究でも、マインドフルな時間を持つことで、うつ病の回復が促進されることが報告されています。


まとめ ― 睡眠と生活を整え、焦らず回復を

うつ病の回復は、「自分を責めず、少しずつ前へ進むこと」です。
そのためにできる8つのことを、もう一度振り返りましょう。

  1. 急性期や再発期は無理せず休む
  2. 安定期も6割ペースで過ごす
  3. 焦らず「今は休む時期」と受け入れる
  4. 軽い運動で心身を整える
  5. 規則正しい生活を意識する
  6. 自分を大切に扱う
  7. 心が癒される時間を持つ
  8. マインドフルな時間を過ごす

そして最後に、薬の継続を忘れないことです。
うつ病の薬は、高血圧や糖尿病の薬と同じく、長期間服用しても問題のない「予防薬」です。自己判断でやめるのは再発の原因になります。主治医から「もう大丈夫です」と言われるまでは、きちんと続けましょう。

焦らず、無理をせず、自分のペースで少しずつ。
その積み重ねが、必ず明るい未来へとつながっていきます。